世界はなぜでできている– category –

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なぜ日本人は虫の鳴き声を味わうのか?~西洋では雑音、日本では情緒の不思議~
秋の夜長の、小さな謎 都会では減りましたが、秋の夜に窓を開ければ――「リーン、リーン」「コロコロコロ」「チンチロリン」。田舎なら、いまもそんな虫の声が聞こえるでしょう。 そのとき、あなたは何を思い浮かべますか。「秋だなあ」としみじみ感じるな... -
なぜ「食欲の秋」と言われるのか?~秋になると食欲が増す理由~
「食欲の秋」は気のせいじゃない 「どうして秋になると、最初の一口がいつもよりもおいしいのだろう」。それは気のせいではありません。 私たちの身体には、季節の変わり目を感じて静かに準備を始める「内なる暦」があります。朝夕のひんやりした空気に触... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その9 ~ゆるキャラとB級グルメが語る現代のご当地戦略~
霞んだふるさとの顔を、どう取り戻すか 日本の47の都道府県は、まるで47色の絵の具のパレットのようです。言葉も祭りも食べ物も、その土地ごとに異なる彩りを放ち、ひとつとして同じ色はありません。 ところが戦後の高度経済成長の波は、その豊かな色彩を... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その8 ~多彩な自然環境への解答用紙としての地域文化~
自然という試験官が描いた地域の個性 日本を旅すると、風景や料理だけでなく、「人の雰囲気」まで土地ごとに違って感じられることがあります。同じ日本語を話しているのに、挨拶の仕方や時間の感覚、仕事の段取りまで、微妙にリズムが変わる。 その違いは... -
なぜ77歳になると喜寿、88歳になると米寿と呼ばれるのか?
七七・八八に隠された、日本人のユーモアと敬意 どうして77歳は喜寿(きじゅ)、88歳は米寿(べいじゅ)と呼ばれるのでしょうか? 祖父母のお祝いの席で耳にしても、その理由までは考えたことがない。そんな方も多いはずです。 七や八という、ただの数字。... -
なぜ秋になると木の葉は赤や黄色に変わるのか?~植物たちの一年最後の晴れ舞台戦略~
毎年恋しくなる、あの黄金色の並木道 毎年の秋、私は家族や友人と神宮外苑のイチョウ並木を歩くのを楽しみにしてきました。黄金色の葉が一斉に輝き、まるで並木道全体が大きな毛布を空に広げたように、私たちを包み込んでくれたものです。 ところが、ここ... -
なぜ旧暦8月15日が「中秋の名月」と呼ばれるのか?
なぜその日なのか? 「中秋の名月」とは、旧暦8月15日の夜に輝く月の呼び名です。この夜を楽しむ風習は、日本では「お月見(十五夜/観月)」、中国では「中秋節」として知られています。 新暦に置き換えると、およそ9月中旬から10月初旬にあたります。年... -
なぜ日本人は「土用の丑の日」にウナギを食べるのか?~日本最古のマーケティング成功事例~
江戸から続く「仕掛け」の始まり 夏になると、スーパーやコンビニの店先には「土用の丑の日」と書かれたのぼりが立ち並びます。ふだんはあまり食卓に上らないウナギも、この日ばかりは特別扱い。うな重やかば焼きが並び、家族そろって「夏バテ防止に」と口... -
なぜ今回の黒潮大蛇行は、過去最長の7年9ヶ月も続いたのか?そのメカニズムと影響
7年9ヶ月続いた黒潮大蛇行、ついに終息 2017年8月に始まった黒潮大蛇行が、ついに幕を下ろしました。海上保安庁と気象庁は2025年8月29日、この大蛇行が同年4月に終息していたと正式に発表しました。その期間、実に 7年9ヶ月 ── 観測史上最長の記録です。 ... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その7 ~外来文化の吸収と地方への定着~
異国の種、土着の花 ── 地方が咲かせた輸入文化 外国からやってきた文化は、ふつうなら「外来種」として珍しがられるだけでなく、しばしば警戒され、時には排除されてしまうものです。ところが日本では、その異国の「種」が各地の土壌に根を下ろし、やがて... -
なぜ日本の地方はこんなに個性豊かなのか?その6 ~方言と祭りに映る日本の多様性~
小さな列島、大きな違い ── 方言と祭りが語る日本 日本は地図で見れば小さな島国です。飛行機なら数時間、新幹線でも一日あれば端から端まで行けます。ところが、その道中で耳を澄ませば、言葉も響きも町ごとに変わっていく。狭い国土に、驚くほどの多様さ... -
なぜ蚊に刺されやすい人と、刺されにくい人がいるのか?
小さな虫がもたらす大きな謎 夏の夕暮れ、公園のベンチに腰かけているとしましょう。隣の友人は何ごともなく談笑を続けているのに、自分だけ足首に赤い点が次々と増えていく。そんな経験はありませんか? まるで「蚊に好かれる人」と「蚊に嫌われる人」が...